マーケティングの必要性

2)マーケティングの重要性

(1)マーケティングとは
米国マーケティング協会(AMA)によると、マーケティングとは、「組織とステークホルダー(関与者)両者にとって有益となるよう、顧客に向けて「価値」を創造・伝達・提供したり、顧客との関係性を構築したりするための、組織的な働きとその一連の過程である」と定義されております。
(Marketing is an organizational function and a set of processes for creating, communicating and delivering value to customers and for managing customer relationships in ways that benefit the organization and its stakeholders.)

具体的にすると次の4つの活動をすることを言います。
1.市場調査(定量調査・定性調査)
2.戦略・戦術立案
3.商品(サービス)開発
4.コミュニケーション戦略(販売促進など)

では、なぜマーケティングを行う必要があるのでしょうか。
各組織が、自己の生存のために活動を行うことによって、市場が変化するからです。その変化に対応するためにマーケティングが必要不可欠となっています。
その変化の理論は、「小売の輪」理論、「真空地帯」理論、「アコーディオン」理論など、過去の偉大な研究者によって説明されてきました。中でも最も分かりやすい理論が、ハーバード大学教授のM・P・マクネアが1958年に提唱した「小売の輪」理論です。古くに提唱された理論ですが、現在でも充分に通用する理論であると考えられます。
企業が成長する過程を、安さを売り物にする「参入フェーズ」、高価格ではあるが魅力的なサービスを提供する「格上げフェーズ」、成熟し切り過度に保守的となった「攻撃されやすいフェーズ」の3つに分け、その特徴を分析しています。企業が「攻撃されやすいフェーズ」に至ってしまうと、「参入フェーズ」の企業にその市場を奪われ、倒産しやすくなるという理論です。理美容業界で例えると、QBハウスなどが「参入フェーズ」企業にあたり、長い社歴があるものの、多くの高い給料の従業員を抱えた結果、価格対応が困難で、かつ、新たに差別化できる強みを持たないサロンが「攻撃されやすい」企業にあたります。様々な努力を行い、「攻撃されやすいフェーズ」に入らないようにしなくてはなりません。

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一方、この理論の例外はいくらでもあります。新しい業界に参入する時は、必ず低価格でなければならないというわけではありません。 最近では、あえて高級専門店として参入する場合もあります。 また、低価格で参入しても、その後の成長に伴って、決して高コスト体質に はならず、低コスト、低マージン経営を維持し続けている企業もあります。要は外部環境の変化に無関心であると、必ずこのサークルに填るということです。現在では各種の技術革新の結果、この回転スピードが早くなっています。常に市場に目を向け、変化に対応しなければならなくなっています。

(2) 必要なマーケティングリサーチと分析
様々なマーケティングリサーチとその分析手法がありますが、美容業で必要とされるものは、下記の図に表したものになると考えられます。
大きく内部環境(自店)の分析と、外部環境(自店以外)の分析に分かれます。内部環境分析では、財務分析、店舗運営実態分析、顧客分析があり、外部環境分析には、商圏内消費者・商業環境分析、来街者調査分析、位置確認分析があります。
中でも重要となるのが、自店の顧客を分析する「顧客分析」と、潜在的な顧客を分析する「来外者調査分析」です。
「顧客分析」は、自店舗の分析であるので、すぐにでも始めることができます。下記の図にあるように、最低限、「来店客アンケート」と「顧客リスト精査」は行わなければなりません。
一方、「来外者調査分析」は自店のスタッフで行うことは困難であり、専門のコンサルタントなどを使用して行なうこととなります。

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また、内部環境分析において、ミステリーショッパーズリサーチは、自店の強み、弱みをつかむ手段として直接的な効果があります。調査員に対応したスタイリストにとっても、個人的に意義深いものとなります。さらに、最近、クローズアップされているのが、従業員モラルサーベイです。従業員のモチベーションアップに即効性があります。なぜ、急にスタッフが退職するのか、なぜ、キャンペーンなどが長続きしないのか、これらの課題で苦悩する経営者が増加していますが、それを解決するための大きな糸口になります。

◆以上の調査と分析を行い、課題解決を実践し続けることが、「攻撃されやすいフェーズ」に入らない秘訣。
◆最低限、「来店客アンケート調査」と「顧客リスト精査」は行う。
◆できれば専門のコンサルタントを活用し、来外者調査分析は行う。

(3) 消費者ライフスタイルの変化

①二極化
美容業界を取り囲む外部環境の変化は激しいものがあります。特にターゲットである「女性」のライフスタイル変化は大きく、対応すべき現象は様々です。
90年代までのライフスタイルは、加工貿易と大量消費社会を支える大量生産を可能にするため、地方から都市部に集められた労働者が中心であったため、画一的な生活を営むことが多かったようです。従って、高度成長期のライフスタイルは、ライフステージが一定であり、変化の幅が小さい。(マスマーケティングが効きやすい市場) しかし、晩婚化、離婚の一般化、子供なし(DINKS)、一人暮らしなど多様な生活様式が現れた結果、そのライフスタイルも多様化してきました。
そのような傾向のなかで、女性のライフスタイルも多様化してきており、これまでのような伝統的・画一的なビジネススタイルでは、彼女たちに対応できないようになってきています。

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また、最近では、二極化にも対応しなくてはなりません。バブル経済崩壊後の景気拡大は、主に外需やIT関連を柱にしており、国内の一般的な企業まで拡大しておらず、利益の配分に格差が生まれています。これが格差社会発生の主な原因となっており、ここしばらくはこの傾向が続くものと考えられます。
外資系企業や上場している商社、ベンチャーから成功したIT企業などに勤めている従業員は、男女ともに所得が高く、仕事が中心であるため、晩婚化しやすい。結婚したとしても高所得者同士の職場結婚などで、生まれた子供に、高水準の教育を受けさせることが出来、結果、高学歴、一流企業入社となります。ますます、富める層となります。一方、一般的な企業に勤める従業員は、所得が上がらずモラルが下がります。極端な例では、仕事より遊興中心になり、結果、「できちゃった」婚などになり、生まれた子供に充分な教育をさせることが出来ず、また、低学歴、一般的な企業入社となります。ますます、低所得から抜け出ることが出来なくなります。
極端な例ではありますが、このように、消費構造が二極化する傾向は強くなるばかりであるので、自店の顧客は、どちらの層に入るのかなども考慮しなくてはなりません。

②自分スタイル
科学技術の発達や労働環境、住宅環境の変化・改善などで、近年の消費者は多くの「自由」を獲得することができました。その自由の中でも、「時間」「年齢」「性別」の3つの「自由」は画期的なものでした。その結果、伝統的な慣習や他人の行動に左右されない消費行動が可能となって、「自分スタイル」を確立する層が増加しています。一度、「自分スタイル」を確立すると、再度、旧態依然のライフスタイルに戻ることは困難であり、「自分スタイル」を維持される傾向もあります。(結婚しないのもその一つと考えられます)

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③同調(シンクロ)意識
極端に自由度が高まった現在でも、マズローの欲求5段階説における「社会的欲求」が働き、必ず群れ始めるようになります。しかし、旧態依然とした集団に群れることは、もはや無理であり、種々のツールを使って群れ始めます。ここが、これまでの「集団」と異なる点です。
これまでの「集団」とは、高度成長期であれば、「近隣住民」や「会社」でした。お隣り同士での交流や会社の慰安旅行などが普通に行なわれていました。
安定成長期では、マンション住まいなどから、「近隣住民」とのつながりは薄くなる一方、「会社」とのつながりは維持されていました。
しかし、バブル経済が崩壊し雇用形態が多様化すると、「就社」意識は薄れ、「会社」とのつながりも希薄化してしまいました。
一方、同時に、携帯電話、インターネットなどの情報技術が高度化し、時間や場所に関係なく、自分スタイルを崩すことなくコミュニケーションが取れるようになりました。
「マインド」で群れることが可能となったのです。

少し前に、「電車男」がクローズアップされたり、若い女性に絶大な人気となった携帯サイト「ガールズウォーク」がもてはやされたりしているのも、場所や時間に関係なく「マインド」で群れることが出来るようになったからです。
マーケティングでは、多様化した市場を細分化(セグメント)する必要があります。以前のように年齢(ライフステージ)などで細分化しても効果が薄く、ライフスタイルで細分化することが当たり前になっていますが、この「マインド」での細分化はさらに重要となってくると予測されます。
2011年7月25日から、テレビの地上デジタル放送が始まりますが、双方向のコミュニケーションが可能になると考えられ、さらに「マインドセグメント」の重要性は高まると考えられます。

(4) 美容業界でのマインドセグメンテーション
①マインドセグメンテーションの例
<趣味でのセグメンテーション>
まだ、大型サロンで分かりやすいマインドセグメンテーションをしている実例は少ないですが、小規模経営のサロンでは、面白い例があります。趣味でマインドセグメンテーションを行っている例です。

以下、有料となります。

(5)すぐにでも使えるマインドセグメンテーション

<有料>

自己紹介

1995年
経済産業省認定 中小企業診断士 登録
2000年
ハタナカマネジメントオフィス 設立
ファッション業界、美容業界を中心に、現場ですぐに役立つ提案と支援を得意としています。
最近では、社会保険導入に関する賃金・給与制度の見直し、社労士とコラボによる就業規則の作成、チームワーク改善、強みの武器化のコンサルティングを行っております。

2013年
BSA(ビューティサービススーパーバイザーアカデミー)専務理事
国際理容美容専門学校 マーケティング講師
2014年
JBCA(日本ビューティコーディネーター協会)1級テキスト作成、アイコーディネーター検定2級テキスト作成

スタイリングマップ講習のご案内

日本ファッションスタイリスト協会が主催しているスタイリングマップは、美容室のマーケティングでは、シンプルで最強のツールになると考えられています。

それに気がついているサロンのオーナー様はまだ少数です。スタイリングマップは、色、形、素材で、それぞれが4つのタイプに別れます。基本的に、パーソナルカラーが軸となっています。これに、さらに造形心理学と素材感がまとめて統一して体系化してあります。

これまで、ありそうでなかった理論で、ファッション&美容の業界ではノーベル賞級の発見です。最近では、それに、行動、感情、対人タイプが重なることが分かり、似合わせのご提案はもちろんのこと、パーソナルな接客まで役に立つ理論です。曖昧なところが非常にロジカルに似合わせが可能になります。

現在、美容室に求められている事は、技術より接客の納得感です。それは、電話の受付から始まり、カウンセリングでその納得感が高まるかどうか、施術中の技術の裏付けの納得感、最後、仕上げの納得感です。この納得感を出せない技術者が多いのは、技術ではなく、納得させるコミュニケーション能力であることが分かってきています。その納得感を感じて頂くコミュニケーションで必要だったのが、スタイリングマップの理論であったわけです。

これをいち早くものにしたサロンが、その地域では、ライフスタイルリーダーになれます。また、マーケティングにおいて、そのスタイル1つをコンセプトにするだけでも、いろんな展開ができます。ここを分かって、それを実践している美容室の経営者は、実は、まだ誰一人もいません。早く勉強して取り入れたもの勝ちです。ファッションの業界では、既に、伊勢丹やユナイテッドアローズなどの大手が取り込み始めており、実は、美容の業界でも大手メーカーが動き始めています。本気で興味がおありになる方、ご連絡下さい。協会代表の相澤先生と一緒に、丁寧に、ご案内していきます。

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