真央ちゃんの銀メダル
今回のオリンピックで、最も盛り上がったのが、フィギュアスケートでした。昨日、残念ながら、浅田真央は、銀メダルに終わりましたが、これまでの日本のフィギュアスケートの歴史を考えると、これほど、日本人が頑張ったオリンピックはなかったと思います。金メダルを取れなかったことは残念ですが、常にそのレベルを狙えるようになった、フィギュアスケート人材の層の厚さはなんだろうと思います。単純に凄いなと思います。
日本人のどこにフィギュアスケートをする習慣があるのだろうと思います。昔、「日米対抗ローラーゲーム」という番組があり、子供のころに、ローラースケートに夢中になったことは有りますが、私は未だにアイススケートをやったことがありません。これが普通だとおもうのですが。
子供にお金をかけて、各家庭レベルで教育することが一般化しています。お母さんは、自分の子供に夢を託し、いろんなことにトライさせる風潮がありますが、その中の選択肢に、フィギュアスケートが入っているのでしょうか。私の子供は、小学校2年生の男の子ですが、自分の興味と母親の考えで、塾の他、いろんなスポーツや習い事に通っています。こういうところから、芽が出るのでしょうか。
今、家庭の財力=子供の学力と言われています。まさしく、そういった部分が大きく、「希望格差社会」という本に書かれているように、家庭の財力は、その家系のDNAとともに、引き継がれていくような感があります。
しかし、果たしてそれでいいのかと思います。
裕福な家庭は裕福な家庭と結びつき、貧乏な家庭は貧乏な家庭と結びついてしまう現在の世の中では、あまりにも夢がないような気がします。
こういうところで、国や地方行政が、家庭の財力格差に関係なく、貧乏な家庭でも、一定水準以上の教育を受ける事ができるシステムをなんとか構築しなければならないと思います。
中曽根内閣の時に始まった臨教審をきっかけにして、「ゆとり教育」という失敗策が生まれてしまいましたが、やはり、財界主導(お金の世界)の教育改革では、ダメだと思います。
以前の、一般的な労働者を生産する「誰もが平均値」のような学習指針に戻る必要はないと思いますが、少なくとも、道徳心と醸成と、今、お金はないけれど苦労すれば必ず報われるよといった教育は、復活させなければならないのではと思います。
今、先に「お金」という意識があるので、苦労して改善して信頼を得て、結果、お金が付いてくるといったことをきちっと説明できる大人があまりにも少なすぎるのではないでしょうか。
大人が、「お金、お金」となっているので、それで、子供も「お金、お金」となります。
このスパイラルをどこかで切らないと、日本人の将来の幸せはないと思います。
経営者も同じです。今、「お金、お金」となっているので、それで、従業員も「お金、お金」となるのに決まっています。それなのに、経営者は、従業員に対して、「今の従業員はすぐに、お金、お金という」といって怒っています。本末転倒ではないでしょうか。
このスパイラルをどこかで切らないと、経営はうまくいきません。
私は、韓国の事情はよく知らないのですが、見習う点が多いのではと思っています。
アジア金融危機の時は、韓国は大変なことになってしまいましたが、その後の復活は素晴らしいものがあります。半導体の世界では、日本を抜いてトップを走る国になりました。(日本の技術陣の流出が相当にあるようですが)
その復活の原動力には、やはり、正しい道徳心と、苦労すれば必ず報われるよといった教育制度がそなわっているのではと思います。背景には、「儒教」あると思います。
かつての日本が、戦後、驚異的な復興を遂げたのは、昔の武士道に近い道徳教育が、きちっと為されていて、その志を持った人が、頑張ったので、戦後の復興が実現したのではと思います。
昔の教育制度に見習えというと、すぐに、軍国主義復活と短絡的にものをいう人たちがいますが、そうではなく、核心の部分は、今の教育現場の中に入れていかないといけないと思います。
いま、私自身、専門学校の先生もしていますが、ここ最近の、授業態度はひどいものです。最初から勉強する気がありません。授業の最初に、その日の授業テーマに引っかかる、「つかみ」の話を持っていかないと授業になりません。(この辺のテクニックに苦労しています)
さて、韓国ではどのようになっているのでしょうか。非常に興味のあるところです。
昨日は、キムヨナさんが完璧に決め、金メダルをとりました。練習では転んでいたようです。
ここ一番の本番での強さには、本当に驚かされます。
スケートだけではありません。今回のオリンピックでは、日本を引き離して、たくさんのメダルを獲得しています。これは、当国のオリンピック協会やスポーツに関連するシステムだけがしっかりしている訳ではないと思います。
サッカーでもそうです。先日は、ホームなのに3-1で完璧に韓国に負けました。
基本的に、今は苦労しているけれど、やれば誰でも報われるといった教育がきちっとなされているのではと思いますが、韓国の教育事情に詳しい人がいたら教えて下さい。
たとえ、そうでなくても、そういった教育環境を作っていかないと、日本のこの先はないと思います。
今、頑張っても、将来だめという風潮が流れていますが、まず、そうではないんだよと言った教育を施していく必要は絶対的にあります。そうでないと、ブレークスルーの実現はありません。
日本の国のことを言いましたが、会社の経営でも同じです。
入ってくる新入社員に、苦労すれば将来必ず報われるといったキャリアプランの提示と教育はしていかなければなりません。
そのためには、今の中堅現役社員にも、意識を変えてもらわないといけないです。
特に、中堅以上の現役社員に対しては、「もうすぐ逃げ切り」といった意識を全体に持たせてはいけません。
経営者は、新入社員の教育には時間がかかり、手間なので、採用を絞ったり、ベテランをいつまでも雇用し続けるといった傾向があります。高齢者の雇用維持は、必要なことですが、若い人軽視では、あまりにも未来がないのではと思います。
教育制度の失敗で、今、弱い若者が量産されています。それを、教育現場のせいにしたり、単純に若い人のせいにしたりしている現状がありますが、
その教育制度を容認したのは、今の大人、経営陣たちではないでしょうか。
それなのに、若い人が育たない、時間がかかるといって嘆くのはおかしいと思います。
教育には時間がかかります。自分の子供でも、良しと思って育てているのに、苦労しています。決して思ったように育ちません。
まして、他人様の子供を預かり、教育するには、根気と時間と、信頼関係の醸成が、絶対的に要ります。
中には、浅田真央ちゃんのように、不振のどん底から這い上がれる精神力をもった若者も必ずいます。
自分のことより、若者の話を聞いて、正しい方法に導いていく必要が、今、一番必要ではないかと感じます。
それには、まず、経営者自身が、「お金、お金」とならず、損得抜きにして、スタッフを愛してあげることが必要な時期なのではと強く思います。