美容室経営で必要なこと。2.ヴィジョン
美容室経営で、必要なことの、ヴィジョンについて説明します。
ヴィジョンには、いくつかの要素が含まれています。
まず、先を読む「①見通し」のことで、10年後、たぶん、こうなっているだろうという大局観です。これは、経営者がこうなりたい!という思いの部分ではなく、世間をよく調べて、こうなっているから、こうすべきという感覚のことです。10年前、ここまでスマホが発達し、若いお客様の多くがホットペッパービューティでネット予約をするなど、どれほどの人が予想し、それを早くから対策したでしょうか。また、人口はさらに減少していくことが予想されていく中、どれほどの人が、美容室の件数が24万店舗になると予測できたでしょうか。
マーケティングでは、こういうことをしっかり調べます。手法としてPEST分析などが挙げられます。
今になれば、もちろん分かることですが、じっと自分の周りを冷静に観察し、調べたりして、こうなっているから、自分の店はこういう風になっている必要がある、ということを事前に考えて備えて、長期の目標なり、設備投資を考えるということです。こういう大局観が必要です。
そして、「見通し」を考えながらも、まず、経営者の夢、使命、何をやりたい、を決めて、言葉にして、お客様と従業員に対して宣言するのが、「②経営理念(社是)」ということになります。
自分の夢があっても、10年後、20年後の市場に合わなければ淘汰されてしまうし、市場の状況だけ読んで、その通りにやっても経営者の独自な夢がなければ他と変わらないということになります。
従って、「10年後、20年後の動きを考えながら、自分の夢をかなえる方向を定める」ということがヴィジョンということになります。2つを同時に考えて示すということです。
そして、自分の夢を言葉に表したのが、経営理念ということになりますが、この、「自分の夢」も、世間に受け入れられるものにしなければなりません。自分の夢がもし世界の大泥棒になる、だとしたら、誰が応援してくれるでしょうか。
ですので、夢には、「正しい夢」の見方、というものがあります。
正しい夢の元になるのが、「正しい考え方」という風になります。
この正しい考え方は、次の3つで出来上がっています。
1 素直な心、感謝の心
2 プラス思考
3 損得抜きで善悪で判断する
という考え方です。
この3つが自分の考え方の中にしっかりあって、それが言葉として、経営理念ににじみ出る、というのが理想的なあり方です。
人が主体であり、商品があまり介在しないサービス業、特に、美容室の業界では、この考え方の影響力は大きく、長く繁栄するお店と、一時的には良い時もあるが永く続きづらいお店の違いになります。
明日、この3つの説明を、具体的な例を説明しながら、案内していきたいと思います。
今日は、ヴィジョンの中身を大枠に捉えてみました。