美容室経営で必要なこと。3.正しい考え方
前回は、ヴィジョンの話をしました。ヴィジョンの中には経営理念が入っているのですが、その経営理念のもとの考え方が間違っていれば、全部、間違ってきます。
経営理念を考える時に、まず、自分自身の考えの、当たり前のベースをしっかりしなければなりません。
考え方の3つが、
1 素直な心、感謝の心
2 プラス思考
3 損得抜きで善悪で判断する
と、前回紹介しました。
3つとも大事なんですが、一番大事なことは、「素直さ」です。
自分以外のものを足すことが出来ることが自然の流れであり、そうすれば上手くいくことを肌で感じる。さらに、そこまでも意識しないで、ただ、「素直さ」が出ている。
こんな人と一緒にいたいですよね。自分のことを聴いてくれる人の近くにはいたいですね。
こういう後輩がはいってきてほしいですよね。
過去にいろんなことがあっても、つねに「PURE」に戻れる。素直さが最も重要であると分かった上で、いろんなことを考えることが最も重要です。
そして、当たり前で、そんなの分かっていると言われそうですが、感謝のこころを持つ、ということです。
何か、やる前に「有難う」と言ってやると、もし、怒っていてもおさまります。
お客様に感謝、従業員に感謝、仕入先に感謝、銀行に感謝、親に感謝、全てに感謝です。
一番重要なのは、「全てに感謝」です。今日、朝、起こしてもらった目覚まし時計に感謝、こうやってパソコン打ててるパソコンに感謝です。そうすると、ものを大事に扱います。さらに、これを創った人に感謝の気持ちが生まれ、その人を生んでくれた親に感謝、お祖母ちゃんに感謝、ずっと上がっていくと、人類の元に感謝、最後には、アメーバにも感謝。すべてにたぶん意味があり、ここにある。つい感謝してしまいますよね。
接客業をしている人は、特に「両親」に感謝は最重要です。
これまでのコンサルの経験上、父親と仲が悪いと会社の上下関係が悪くなります。いくらでも例が挙げられますが、それに気がついた例を案内します。ある時、社長とけんかして辞めた男の子がいたのですが、相談に乗って欲しいということで会いましたら、母親も連れて来ていて、よく聞くと、父親は小さい時に離婚して、父親の愛情をあまり知らないで育っていたようで、その本人の心の中で父との和解が済んでいない状態のようでした。上司や社長に対する反発心の元です。
接客業では、母親と仲良くしてほしいと思います。母親と仲が悪いと、ヨコの関係が悪くなります。これも経験上、見る事ができたのですが、売上の苦戦しているあるサロンのオーナーの相談を受けたのですが、いい技術もっているのに、ジリ貧。その店の従業員もまともなのが入ってこず、入ったと思ったら、どこかのサロンと掛け持ちしていたとか。話の仕方でも分かります。よそでパーマをして失敗した人が帰ってきても、また、失客していまう。「大変だったですね」と言わず、「ほら、よそでするからそうなるんでしょ」的な言い方してしまう。たぶん、従業員に対してもそういう言い方です。
私はその時、「ひょっとしてお母さんと仲が悪いですか?」と聞いたところ、「はい、何で分かるんですか?」「聞いてたら分かりますよ。それ、かつて自分がお母さんから言われていて嫌だったこと、そのまま、周りにやっちゃっていますよ」といいました。私のような第3者から言われると、さすがに「素直」に聞いてくれたようです。
「すぐお母さんと仲直りして下さい。そうしたら、売上上がりますよ。」といってアドバイスしましたが、半年後には、じわっと回復傾向になってきました。
親との会話が、気がつかないうちに、お客様との会話に出てしまう。たぶん、顔にも出るんでしょう。怒っている顔が。
だから、すべてに関して感謝。
どんな出来の悪い父親、母親に対しても、ありがとう、と言える考え方を、ちゃんとリアルに作ってから、経営理念を考える。
ここは非常に重要です。
次回、「プラス思考」と、「損得なしで、善悪で考える」を、実例を踏まえて説明します。