美容室経営で大切なこと 9.ターゲットを絞り込む
当方がサロンのオーナーや店長に一番理解してもらうのに苦労する点が、ターゲットを絞るというところです。
アメリアのマーケティングでは、さらにマーケティングが1歩も2歩も進み、マーケティングが自動化(マーケティング・オートメーション)が進み、ITを活用して、誰がどのようなホームページを見たか、何分滞在したか、購入したか、どのページに移ったなどを分析し、行動がつかめるので、どのタイミングで誰に、どんな情報を送ると反応が良いと言ったことが進んでいるようで、こうなると特にターゲットを絞る必要もなく、完全にパーソナルで、あとは品揃えの幅によって、売上の構成が変わってきます。
一方、まだ日本ではそこまで進んでおらず、必ず、絞り込みをしなければならない状況です。漫然としたチラシやメールマガジンでの広告は、もう、ウザったいので誰も見ず、ごみ箱か削除です。
しかし、少しでも自分の価値観に近い、興味深いと思うものを送れば、捨てずに持って帰る。そうでない人はやはりごみ箱に捨てるのですが、持って帰った人の奥まで刺さりやすいものとなります。
美容室は、前日に案内したように、「本質」がカット、カラー、パーマで、「流派」を創設して凄い領域に入る以外は、そうそう違わないので、かなり差別化、独自化しづらいのです。こういう状況で、さらに得意なターゲットを作っておかなければ、最後には、やはり、値段の少しでもやすいところか、愛想のいいところになってしまい、みんなまねのできる範囲で、儲からない領域に落ちて行くことになります。
しかし、美容師さんたちは、非常に優秀な方が多くて、目の前に来たお客様には、だいたい対応することができるので、顧客を絞り込む必要はない、逆に絞り込んだらお客様が減ると思っている人が殆どです。百歩譲って3年前までならOKです。しかし、こんなに店舗数が多くなった今では、特徴がないと、お客様はどこでも良くなるので、固定化しません。ましてや、ホットペッパービューティのお客様は、リクルートさんのお客様なので、いろんなサロンの情報がお客様のところに届くので、ふらっとそちらに行く。経費はサロンが払って、特徴がないために、ふらっとよそに行かれるのです。
一方、10年後に備えて、自社の「本質+α」に沿って、ターゲットを絞る、逆にターゲットを絞って「本質+α」を決め、それを丁寧に、丁寧に積み重ねる。
ここが本当にこれから重要なポイントになってきます。
たとえば、世帯所得700万円以上の主婦で、子供が中学生で、仕事が学校の先生と言う風に絞ったならば、そういう周辺のお客様も反応し、また、それより上の年代の方も反応します。
アパレルの業界では当たり前の話で、20歳代用の服を創ると30歳代が反応し、30歳代ターゲットの洋服は、40歳あるいは、50歳代も反応します。109系のマウジーのいいお客様は40歳代と聞いたこともあります。逆に、40歳代ターゲットの商品には20歳代は反応しません。説明しなくても分かると思いますが、要するに、男女問わず、根底には「いつまでも若く綺麗でいたい」が願望です。しかも、最近は等身大の願望です。ハリウッドスターよりAKB48です。すぐそこにある、自分も参加できそうな願望です。
自店では、どの+αのニーズを満たすのかをハッキリさせて、それに愚直なまでに対応出来るように練習し、作り上げる事によって、着て頂いたときの満足感が違ってくるのです。リピート率も高くなるのです。ホットペッパーから他の情報が送られてきても興味出ない訳です。
次回は、そのターゲットの絞り方をご案内していきます。