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美容室経営で大切なこと 16.市場の規模を考える

2016-08-13-土曜日 1:29:50

このサイトで5年ほど前に「美容業界レポート」というのを出しました。その中で、実際には、どれくらいの美容室が生き残っているか、という試算をしましたが、ここで修正をしたいと思います。

矢野経済研究所の調査によりますと、2014年度の美容室業界の市場規模は、1兆5,285億円で、サービス業の中では、非常に大きな市場規模を誇る業界です。しかし、前年度比98.7%となりました。消費者の節約志向はまだまだ続いており、来店サイクルが伸びたり、割引クーポンを導入するサロンが増えたりして、市場規模は微減となりました。

また、厚生労働省の衛生行政報告例によりますと、全国の美容室の数は、2014年は234,525施設です。2010年は223,277施設でしたので、4年間で10,812店舗増加したことになります。比率で見ると104.8%となります。一方、この4年間の人口の推移を見てみますと、2010年は128,057,352人で、2014年は126,948,756人となり、4年で1,108,596人減少しています。比率で見ると99.1%となります。人口が約1%減っているのに、美容室は約5%も増えています。実数でいうと100万人も人口が減ったのに、1万店舗も美容室が増えたということになります。2013年度から2014年度は、3,436施設も増えており、この勢いはまだまだ続くと考えられます。ちなみに、厚生労働省の衛生行政報告例の生活衛生関連施設は全部で14項目あるのですが、施設が増えているのは、美容所とホテルと簡易宿所営業とクリーニングの無店舗取次店の3つだけです。ここ最近の外国人観光客の増加でホテルは増える理由は分かりますが、市場規模が縮小しているのに、施設数が増えている美容室業界は異次元といえるでしょう。

ここで、1施設あたりの市場規模はいくらだろうかと、割り算をしたくなります。市場規模は1兆5,285億円で、234,525施設ですので、1兆5,285億円÷234,525施設=651.7万円となります。1年間の美容室の売上の平均が651.7万円は、どう考えてもおかしいですね。約23万店舗あるとされていますが、実際にまともに稼働している美容室ははるかに少ないということになります。

では、約23万軒のうち、どれくらいがまともに稼働している状況でしょうか?ここで試算をしてみます。

まず、平成26年の経済センサスによると、全国の美容業の事業所数は、175,488件です。234,525店鋪のうち、約74.8%が1企業、すなわち約3/4が1店舗企業であることが分かります。従業員数は482,191人です

一般的にスタイリスト、アシスタント、事務員の方など全従業員の給与(額面)の合計金額は売上高合計の約40%程度のお店が多いです。ですので、全国の従業員給与は、約1兆5,385億円の約40%となるので、6,154億円となります。従業員数が462,737人ですので、一人当たりのお給料は年間約133万円!ということになってしまいます。かなり少ない金額です。

一方、賃金センサスや民間の調査資料によりますと、美容師1名あたりの1ヶ月の給与(総支給額)の平均は、約23万円、年収にして約280万円です。業界全体で一人あたり年間133万円しか支払う能力がない状況で、実際には280万円の支払いが起きているので、23万店舗という数字は、実際に営業している店舗より、約2.1倍多いことになります。(280万円÷133万円=約2.1) 約23万軒ある美容室のうち、きちっとお給料を支払えるだけのきちっとした営業をしている店舗は、約11.2万店鋪と推定されます。

(234,525店舗÷2.1=111,679店舗)

厚生労働省発表の約半分しか、実際には生き残っていないことが推測されました。

ですので、この4年間で約1万店舗も増えると売上が厳しくなるのが分かります。売上の厳しさは、景気の影響よりもこちらの影響の方がはるかに大きい事が分かります。

 

 

自己紹介

1995年
経済産業省認定 中小企業診断士 登録
2000年
ハタナカマネジメントオフィス 設立
ファッション業界、美容業界を中心に、現場ですぐに役立つ提案と支援を得意としています。
最近では、社会保険導入に関する賃金・給与制度の見直し、社労士とコラボによる就業規則の作成、チームワーク改善、強みの武器化のコンサルティングを行っております。

2013年
BSA(ビューティサービススーパーバイザーアカデミー)専務理事
国際理容美容専門学校 マーケティング講師
2014年
JBCA(日本ビューティコーディネーター協会)1級テキスト作成、アイコーディネーター検定2級テキスト作成

スタイリングマップ講習のご案内

日本ファッションスタイリスト協会が主催しているスタイリングマップは、美容室のマーケティングでは、シンプルで最強のツールになると考えられています。

それに気がついているサロンのオーナー様はまだ少数です。スタイリングマップは、色、形、素材で、それぞれが4つのタイプに別れます。基本的に、パーソナルカラーが軸となっています。これに、さらに造形心理学と素材感がまとめて統一して体系化してあります。

これまで、ありそうでなかった理論で、ファッション&美容の業界ではノーベル賞級の発見です。最近では、それに、行動、感情、対人タイプが重なることが分かり、似合わせのご提案はもちろんのこと、パーソナルな接客まで役に立つ理論です。曖昧なところが非常にロジカルに似合わせが可能になります。

現在、美容室に求められている事は、技術より接客の納得感です。それは、電話の受付から始まり、カウンセリングでその納得感が高まるかどうか、施術中の技術の裏付けの納得感、最後、仕上げの納得感です。この納得感を出せない技術者が多いのは、技術ではなく、納得させるコミュニケーション能力であることが分かってきています。その納得感を感じて頂くコミュニケーションで必要だったのが、スタイリングマップの理論であったわけです。

これをいち早くものにしたサロンが、その地域では、ライフスタイルリーダーになれます。また、マーケティングにおいて、そのスタイル1つをコンセプトにするだけでも、いろんな展開ができます。ここを分かって、それを実践している美容室の経営者は、実は、まだ誰一人もいません。早く勉強して取り入れたもの勝ちです。ファッションの業界では、既に、伊勢丹やユナイテッドアローズなどの大手が取り込み始めており、実は、美容の業界でも大手メーカーが動き始めています。本気で興味がおありになる方、ご連絡下さい。協会代表の相澤先生と一緒に、丁寧に、ご案内していきます。

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