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立花龍司氏のコーチング

2007-12-06-木曜日 7:49:01

立花龍司氏のコーチング

プロ野球ロッテマリーンズで、メンタル・フィジカル面で優れたコーチング能力を発揮されている立花龍司氏の講演を聴く機会がありました。
2時間ほどの講演でしたが、話の内容(人を育てようとするときポイント)を要約すると、以下のようでした。

①絶対ネガティブな発言はしない。
②コーチングとは、相手が「気がつく」様に話を持っていくこと。従って時間はかかること。
③大きな目標を立ててから、ちょっと努力すると達成できる目標を立て、階段を上っていくように指導すること。
④人間には「適応能力」があるので、常に努力し続けること。

(1)絶対ネガティブな発言はしない
講演の冒頭、聴衆にテストされました。「これから言うことを絶対想像しないで下さい」ということで、目を瞑らされました。
そして、「象を絶対想像しないで下さい」と命令されましたが、100名ほど居た聴衆の中で、想像しなかったと答えたのは、僅か5名ほどでした。
人間、想像するなと言われると逆に想像してしまうもので、私自身、一生懸命、愛犬のことを考えていましたが、0.1秒ほどは、「像」がでてきました。
さらに、「ピンク色を想像しないで下さい」と命令されましたが、やはり、0.1秒ほど、「ピンク色」が出てきます。
一方、他の聴衆の反応は、先ほど5名であった人が、10名に増えていました。訓練でなんとかなるものということも確認されました。
いずれにせよ、「するな」といわれれば、「する」ものが人間ということが分かりました。
教える方は、良かれと思い、「これはするな」「こうなってはいけないんだよ」と指導しますが、注意してネガティブな教え方は避けなければなりません。

対策としても、面白い例を出されました。立花氏は実名を出されませんでしたが、ちょっと古いプロ野球ファンならすぐに分かるエピソードを紹介されました。
昔、阪急ブレーブスに、山口選手という超速球派投手がいました。私もすごく覚えています。当時はスピードガンがありませんでしたので、実際、球速がどれくらいか判りませんでしたが、おそらく、160キロは余裕で出ていたと立花氏も言っておられます。
パリーグの打者は相当にやられ、三振の山でした。そこで、当時の近鉄バッファローズの監督(西本さんだと想像します)が、スコアラーに山口投手のデータを徹底的に調べさせました。
結果、高めの球で討ち取られていることが判りました。
攻略策の糸口が見えた監督は、試合前、円陣を組み、「みんな、ええか、絶対、高めの球を振るな」とアドバイスしました。
すると選手は「よし、高めは振らないぞ~」と頭に強くインプットされたため、逆に高めに意識が行き、判っていても振ってしまうようになりました。
いつもと同様、三振の山を築かれる監督は、5回ぐらいになると、だんだん頭にきて、ベンチで、「お前ら、高めは振るなと言うとるやないか~」と激怒しました。
すると、今度は、固まってしまい、高めどころか、低めも振れなくなったそうです。
そこで、どうアドバイスすれば良かったか。そうです。
「徹底的に低めを狙え」です。指導する方のことばの注意力が試されます。

(2)コーチングとは、相手が「気がつく」様に話を持っていくこと。従って時間はかかること。
これは、要は、山本五十六氏の「やってみて、言って聞かせて、やらせて見て、ほめてやらねば、人は動かず」の発展版です。
昔のコーチは、口で「こうやらんか~」「な、なんででけんのじゃ~」のスパルタでした。これはダメなようです。特に、最近入社する新入社員にこれをやると、辞めてしまいます。
これもいい例で示されました。
ある高校の野球チームに優れた選手(最初は投手)がいて、立花氏は、そこの臨時コーチなどもされていたようです。チームの監督は立花氏の旧友だったそうです。
あるとき、その選手がサードにコンバートされたころから、元気がなくなり、いつも通っていたスポーツジムなどにも通わなくなりました。
監督は、ふて腐れていると直感していました。気になった立花氏がコーチとして、いろいろ聞いてみると、「守備」に悩んでいることが判りました。
その選手は逆シングルでとるのが苦手なようでしたが、本人が気がついていなく、3塁線の当りを取れず、長打になることが多かったようでした。
それを話しているうちに、「判った」となり急に目つきが変わったようです。その瞬間が大切で、立花氏は頭にあったアドバイスをたたみかけて助言しました。
その日から、逆シングルの練習ばかり、夜も車のヘッドライトでグランドを照らし、練習に打ち込み始めたようです。
その後の活躍は目覚しいものがあったようです。(のちにプロ野球選手になったとのこと)
いろいろアドバイスはするが、「気がつくまで待つ」。これは高等テクニック、かつ、時間がかかりますが、最終的に、壁にぶち当たったとき、こういう風にして育った人の方が、
自分で解決策を探るようになり、伸びるとのことです。スパルタは、そのとき伸びますが、スランプに落ち入ったとき、なかなか脱出できないようです。

(3)大きな目標を立ててから、達成できる目標を立て、階段を上っていく
人材開発のコンサルティングでは常道ですが、やはり、「これ」です。
立花氏は、野茂選手とイチロー選手の話をされました。本人たちと接触が多かった立花氏ですので、相当、説得力ありました。
「メジャーリーグで活躍する」という大きな目標に向かい、今、達成できる目標を達成していくエピソードは楽しく、聞いている方が熱くなりました。

(4)人間には「適応能力」があるので、常に努力し続けること
これは、フィジカル面からの話でした。
ストレッチするにも、負荷をかけないと柔軟になりませんが、掛け続けると、いつのまにか柔らかくなっています。負荷を掛けられる環境に体が適応したということです。
一方、負荷をかけないと、掛けない環境に適応し、堅くなります。
これは、精神的にも同じかと思われます。
いつも自分を対応可能な厳しい環境におく事によって、成長できる。対応可能かどうか、さぐるテクニックも教育者には必要といえます。

最近、多くのサロンで、「新人の確保と、その維持」が大きなテーマになっています。
そういう中で、立花氏の話は、大きな参考となるのではないかと思います。

自己紹介

1995年
経済産業省認定 中小企業診断士 登録
2000年
ハタナカマネジメントオフィス 設立
ファッション業界、美容業界を中心に、現場ですぐに役立つ提案と支援を得意としています。
最近では、社会保険導入に関する賃金・給与制度の見直し、社労士とコラボによる就業規則の作成、チームワーク改善、強みの武器化のコンサルティングを行っております。

2013年~2023年現在
国際理容美容専門学校 マーケティング講師
2014年
JBCA(日本ビューティコーディネーター協会)1級テキスト作成、アイコーディネーター検定2級テキスト作成

2018年2月 「誰も教えてくれない、経営の秘密。」(髪の文化舎)出版

2020年 JBCA(日本ビューティコーディネーター協会)サロンマネジメント テキスト作成

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