「説明」について
美容室でもアパレルでも、どういう仕事でも、熱意のこもった「説明」は重要だと思います。
前回2回、店販の話をしましたが、店販を動く人は、「説明」に熱意があります。
店販は、だいたい、以下のような流れがなければ、なかなか動きません。
①スタイリストが施術の途中(ミドルカウンセリング)で、お客様がいつも使っているヘアケア材のことなどを聞く。だいたい答えてくれる。いいですよね、などとほめる。
②うちでも、その効果のあるものは置いてます、とご説明する。
説明の段階1・・・機能を説明。なぜ勧めるのか、何の成分がどういいのか
説明の段階2・・・感情がはいった説明。「私も使っていてすごくいいんですよ」「お店で今、一番売れています」など
このうち、感情がこもった段階がないとなかなか動かないと言われています。
③そして、最後、アフターカウンセリングの時に、再度、お勧めしてみる。そうすると、いくら?と聞いてくるので、ご案内します。最後に買うかどうかは、お客様(神様)のみぞ知る。情報提供だけはしっかり行う。
アパレルの業界でも、今、ネット販売が盛んになってきて、当方がマーケティングを押しているファッションの専門学校でも、すごくおしゃれな子が「お店で買わないでネットで買っている」と教えられて、驚愕となったのが約3年前です。我々の世代は、お洋服は、雑誌を見て、なんとなく欲しいのを決めて、いろいろ回って、店員に説明してもらって、見て、着て、買うのが当たり前だと思っていましたが、今の10歳代、20歳代は平気でネットで洋服を買います。
そこで、ポイントになってくるのが「写真」と「説明」です。写真は当たり前ですが、そこで、説明の多い商品ほど売れる傾向があると担当者に教えてもらったことがあります。写真の他、サイズの説明は重要だが、どちらにしようかなとなれば、「うんちく」「こだわり」などがさりげなく書いてあればそちらに引っ張られる。そらそうだ、と思いますが、果たして、ちゃんとそれが出来ているかどうか。
最近は、インスタでインパクト重視ですが、いいね、が多い人は、言葉も多かったり、写真のストーリーがあったりして、分かりやすいものが多いですね。
ブログやインスタで、言葉を入れるのは、本当に面倒で時間がかかる作業ですが、言葉で残るものを作っておかないと、過ぎ去っていく、忘れてしまう。
一方、言葉を書いておくと、忘れないし、説明する人の頭も整理できる。
さらに、最近では、「説明しながら切る」や「説明しながら塗る」は重要度が増してきたと思います。
世間話も良いのですが、やはり技術に対しては、「こうだから、こうなんですよね」「こうだからこうしておきます」「今はこうですけど、そうすると一か月後こうなります。楽しみですよね」などと感情の入った説明をしながらの施術は、お客様に対する「プロの言葉」として、重要です。
それもカウンセリングのときにヒアリングしたものに基づいていれば、なりたい自分になっていく、ワクワク感は増すのではないでしょうか。
ビューティーサロンレスキュー » 美容院コンサル日記店販を売るとお客様がこなくなるの?パート2
顧客の減少より速いスピードで、技術力がまして、技術だけで客単価を上げることができるなら、無理して店販を売る必要がないかもしれません。
一方、そこまでやればニッチとしての技術力がはっきりしてくるので、お客様は、技術者を信じて商品を買います。
さらに、心配している、「在庫」の話をします。
小売業は、在庫がないと売上がなかなか上がりません。もし、コンビニが全て、注文制だったとしたらもはや誰も来ません。
小売業のほとんどは在庫を抱えるのが当たり前です。問題は、「在庫管理の精度」です。
一般の化粧品屋さんの商品回転率は、約6回転/年間です。美容室で、店販だけの計算で、この回転率より速い回転率を上げていたら、それは素晴らしい商売と言えます。6回転とは、2か月間で仕入れたものは売るということです。例えば、クールシャンプーなら、7月に仕入れたら、9月には全部なくなっているということです。
商品を残すから儲からないので、その管理が面倒ということなら、店販は扱わない方がましです。
面倒でお客様との商売をなくしていいのかどうか。
基本的に、お客様が欲しがるものは、売ればいいと思いますし、ユニクロのように、タイミングを計って、仕入れやセールを厳密に行えば良いということなんですが、それが面倒なのでしょうか。
小売業はどこもやっていること。
また、若いスタイリストさんは、成長段階で、かつて、店販を「売りつけて」失敗したことがあるから、ガツガツ商品を売りたくない、予約を重ねたくない、という、透明のガラスにぶち当たっていることが良くあります。
もう成長しているのだから、「いつまでその段階にいるの?」と思ってしまいます。
このことは、多くの諸先輩も経験されているようで、しっかり店販を売る某オーナーさんもかつて、若い時に、店販をガツガツ売らされるのが嫌で独立しました。
そのオーナーは、しっかり知識も習得し、知識があるものだから、自然と店販が売れるようになり、メーカーに頼まれて売った時は、すごい売り上げになりました。さらに、他のサロンが見学にくるようになりました。
そして、何人も従業員を雇うようになったのですが、某オーナーは、スタッフに、「こうやれば店販が売れる」といって、かつて、自分が嫌だったことをスタッフにしっかり教えておられます。素直にやった子は、そのまま店販が売れるようになっています。
これも、そういうふうにした方が、スタッフが育つし、お客様まが喜ぶということを知ることができたからではと思っています。お客様を誘導して儲けてやろうではなかったということです。
結局、最終的には、お客様をどのレベルまで綺麗にするか、というゴール設定をきちっと持つということです。
それも、お店のゴールと、個人のゴールを決めるということ。
ここまでは格好良く綺麗になりましょうとお客様と話し合います。そこまでは、、、というお客様には、「お、これ、いいね」と言っていただける入門編のようなリード商品やリードメニューをしっかり作って、階段を少し登れるゴールを作ってあげることなのかと思います。
話し合いをして、「ワクワクする」お客様には、素直に、しっかり自信を持ってメニューを勧めていく。全員一緒ではないということです。ひとり一人のレベルに「寄り添う」。
昔、当方はアパレル業界関連の仕事をしていましたが、お客様は気に入ると少し無理しながら、本物、いいものを購入していました。特に、バブル経験者の40歳代後半まではこの傾向が、いまでも強い。若い人でも、いい化粧品や、ネイル、まつエク、どんどんします。その為にバイトする。
やっぱり、カッコいいとか、綺麗と言われたいとか、モテたいとか、そこは本能であると思います。
そして、ファッションにかける可処分所得で、どこまで綺麗になりたいのか、ゴールを設定して、同時に、自分も客単価をどこまで上げるという成長のゴールを設定して、お互いに上がっていくということが、ともに成長するということかと考えられます。
「店販」は、スタッフとお客様の教育の一部です。
ビューティーサロンレスキュー » 美容院コンサル日記
店販を売るとお客様が来なくなるの?パート1
昨日もそういう話がありましたが、店販を美容室の従業員さんが好んで売らない話です。あそこは売りつけられると思われる、店販を仕入れると儲からない、という風に考えることについてですが、
一方で、毎月確実に20万円も店販を売って、技術売上も150万円や200万円くらいある美容師さんがいます。
市場全体でいうと、人口が減り、競合も多くなって、1店舗あたりの客数が確実に減っています。だから、売上をあげるのに、技術売上高だけでは、追いつけなくなっています。また、1店舗あたりの美容師さんの人数も減ってきているので、客単価を3万円とか5万円とか、あげることができるメニューがないと、頑張っても1日にできる人数に限界があるので、それ以上は売上ができないということです。
じわっと売上が減って、従業員も減って、でも、家賃は変わらない。従業員の最低賃金は上がっているし、むしろ、上げないとひとが来ない。そうしたとき、売れれは勝手に利益を上げてくれるのが、「店販品」です。前述の毎月20万円も売る人は、全然無理に売っていなくて、ほとんどが、指名買い、リピートとなっている売上です。
もし、技術だけで売上を上げていくことも可能だと思います。付加価値のあるメニューを開発し、お客様に気に入ってもらえば客単価があがります。
つまり、技術がうまくなるゴール設定をしなくてはならないということです。誰かが開発した、他のすぐできるメニューをやっても評判が良くなれば、また誰かが同じことを、「安く」行う。そうして、毎回、技術の、スタイリストの体の安売りが始まるわけです。技術自体のレベルはアップしていないということです。ゴール設定が低すぎるのです。
例えば、しっかりネイルやまつエク技術を取り入れる。そうしたときに、ダンピングすればすぐに客がきますが、体は大変です。きちっとした価格で自信をもって勝負することが良いのではと思います。
一方、こういことでも総客単価はあがりますが、昨今の客数減少のスピードより速く、新しいメニューで、客単価を上げていくことができるかどうか。ここが問題になります。やはり、30分や1時間は施術時間がかかってしまう。そういったときに、店舗で商品を「売る癖」がついてないと、客数減=売上減となってしまいます。
また、技術が鋭くて、お客様が来るならば、そのスタイリストのある意味、信者になっている訳で、小さな市場だけれどもリーダーになっています。そういう人が、これ、こういう風に使うといいですよ、といえば、大体のお客さんは買っていきます。
あなたは、どちらになりたいですか?ということかと思います。
店販が売れている人は、売り上げ全体も出来ている。これは、美容師さんは知っている話です。
続きは後日。