ビューティーサロンレスキュー » 美容院コンサル日記

美容室経営で大切なこと 10.ターゲットの絞り方

2016-08-06-土曜日 20:02:33

それでは、今日は、私が行っているターゲットの絞り方を案内していきます。

ターゲットを絞る時に、最もありがちなのが、例えば、「30歳~50歳の主婦」とかです。

そして次に狙うのは「20歳~30歳のOL」というのです。

これでは、女の人全員、と言っているのと同じです。全く絞られていない。

どうしても、年齢と大体の仕事観しか出てこない。年齢で絞るなら1歳の範囲で絞るなら分かります。(この年に生まれた人!ならマーケティング的にも面白い切り口が出来ます)

物差しが間違えているので、今日は、モノサシをご案内します。

物差しは3つありまして、1つ目は「欲求レベル」、2つ目は「らしさ」、3つ目は「ファッションスタイル」すなわち、見た目です。

1つ目の「欲求レベル」とは、マズローの欲求5段階説で、お客さんを細分化するということです。

マズローでは、下の欲求から「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「尊敬(自我)欲求」「自己実現欲求」に分かれます。詳しく調べたい人はウィキペディアなどで調べて下さい。

私が言いたいのは、今、満足しているレベルで購買欲求が異なると言う事です。「生理的欲求」「安全欲求」の段階は、いわゆる「衣食住」を満たしたいレベルです。今の世の中は、お金があれば「衣食住」は満たせます。精神的に、ここにフォーカスしている人は「=お金」にフォーカスしているのと同じなので、何でも安い方がいいのです。だから、「ディスカウント」には相当反応します。少し前に、吉野家さんが100円値上げしましたが、その瞬間に客数が2割も減ったらしいです。たった100円です。また、「尊敬欲求」や「自己実現欲求」を満たしている人は、もうお金ではなく、その価値を見て物を買います。ブランドや骨とう品などもそうで、衣食住がままならない人は、無理をしてでも骨とう品を買うでしょうか。余程のマニアでないと買いません。このレベルの人は、「はい、20%引きです、如何ですか?」では反応しない人が多い。

貴方のお客様は、どちらですか? ちょうど真ん中? 所得もそうですが、心根がどこにあるかです。

 

そして、2つ目のモノサシは、「らしさ」です。さらに言うと「自分らしさ」。

消費者が自分らしさを構成している要素は、

1.家柄  2.仕事  3.友達  4.ライフスタイル(趣味)

5.ライフステージ  6.TPO の6個で出来ています。

(本当は、「性格そのもの」もあるのですが、先天的な性格は科学的な証明が出来ないので省きます。なんで、同じ家庭環境で育っているのに兄弟では性格が全く違うのか。輪廻転生?信じたい人は信じるしかない世界で、科学的根拠なしです。)

 

1.家柄はDNAというか血統というか。やはりそれは行動に出ます。欲求レベルのモノサシに近いものがあります。お金持ちに生まれれば自分もお金持ち、貧乏だと自分も貧乏と言う風に格差社会は広がりつつあります。また、商売人のこどもと、勤め人の子どもでは、仕事に対する価値観が根底から違います。ので、自分のお客様はどんな家柄なのか、考えても良いところです。

2.仕事は、そのまま、洋服のスタイルやヘアスタイルに出るので、どんな仕事をしている人か、設定する最重要項目です。固い仕事に人に明るいカラーは勧めてはならないのは、カウンセリングで勉強するところかと思います。

3.どんな友達が多いのか。会社の人なら「仕事」が要素ですし、地元のヤンキーが仲良ければ、その要素たっぷりというところです。

4.ライフスタイルは、趣味と捉えれば良いと思います。それでその人らしさが分かりやすい。健康が趣味(ジョギングやマラソン、水泳な)、お花が趣味、旅行が趣味、ショッピングが趣味など、その人らしさが満載です。

5.ライフステージは、未婚、既婚、学生、社会人、子供(末子)の年齢、孫によって、どうしても自分らしさが変わります。ここが年齢で分類するところと最も近いのですが、昨今は未婚率が上がって来たので、年齢で切りにくくなっています。

6.TPOは、その場の、オンかオフかということ。ですので、ターゲット設定には少し使いづらいですが、結婚式場や仕事の場面がビジネスであれえば、完全にオンの状態のターゲット設定となります。

3つ目は、ファッションスタイル(見た目)

ファッションスタイルには、基本8つのスタイルがあります。これはファッションの専門学校では必ず学習します。

アバンギャルド(前衛的)に対してコンサバティブ(保守的)

マニッシュ(男性的)に対してフェミニン(女性らしさ)あるいはロマンティック

モダン(都会的)に対してエスニック(牧歌的)あるいはフォークロア、ナチュラル

エレガント(上品な)に対してアクティブ(機能的)あるいはスポーティ

最近は、リミックスファッションになっているので、そのままは当てはめづらいのですが、基本ラインは変わりません。

 

これらが、モノサシです。

これら全てを網羅する必要はないのですが、少なくとも4~5つは考えて、ターゲット設定すべきです。

例えば、「隣の県から夫の仕事(銀行)の都合で引っ越してきて、小学校の子供のネットワークが出来てきたお母さん。見た目は、スポーティでかつモダンな感じで、短時間のパートをしている。仕事場は、近くの花屋さん(フラワーコーディネーターの資格あり)」

このようになります。

完全に1人を想定するペルソナ分析に近いのですが、これぐらい絞ってちょうど良い感じです。そうでないと、チラシ1枚、特徴的なものが出来ません。

ビューティーサロンレスキュー » 美容院コンサル日記

美容室経営で大切なこと 9.ターゲットを絞り込む

2016-08-06-土曜日 18:47:09

当方がサロンのオーナーや店長に一番理解してもらうのに苦労する点が、ターゲットを絞るというところです。

アメリアのマーケティングでは、さらにマーケティングが1歩も2歩も進み、マーケティングが自動化(マーケティング・オートメーション)が進み、ITを活用して、誰がどのようなホームページを見たか、何分滞在したか、購入したか、どのページに移ったなどを分析し、行動がつかめるので、どのタイミングで誰に、どんな情報を送ると反応が良いと言ったことが進んでいるようで、こうなると特にターゲットを絞る必要もなく、完全にパーソナルで、あとは品揃えの幅によって、売上の構成が変わってきます。

一方、まだ日本ではそこまで進んでおらず、必ず、絞り込みをしなければならない状況です。漫然としたチラシやメールマガジンでの広告は、もう、ウザったいので誰も見ず、ごみ箱か削除です。

しかし、少しでも自分の価値観に近い、興味深いと思うものを送れば、捨てずに持って帰る。そうでない人はやはりごみ箱に捨てるのですが、持って帰った人の奥まで刺さりやすいものとなります。

美容室は、前日に案内したように、「本質」がカット、カラー、パーマで、「流派」を創設して凄い領域に入る以外は、そうそう違わないので、かなり差別化、独自化しづらいのです。こういう状況で、さらに得意なターゲットを作っておかなければ、最後には、やはり、値段の少しでもやすいところか、愛想のいいところになってしまい、みんなまねのできる範囲で、儲からない領域に落ちて行くことになります。

しかし、美容師さんたちは、非常に優秀な方が多くて、目の前に来たお客様には、だいたい対応することができるので、顧客を絞り込む必要はない、逆に絞り込んだらお客様が減ると思っている人が殆どです。百歩譲って3年前までならOKです。しかし、こんなに店舗数が多くなった今では、特徴がないと、お客様はどこでも良くなるので、固定化しません。ましてや、ホットペッパービューティのお客様は、リクルートさんのお客様なので、いろんなサロンの情報がお客様のところに届くので、ふらっとそちらに行く。経費はサロンが払って、特徴がないために、ふらっとよそに行かれるのです。

一方、10年後に備えて、自社の「本質+α」に沿って、ターゲットを絞る、逆にターゲットを絞って「本質+α」を決め、それを丁寧に、丁寧に積み重ねる。

ここが本当にこれから重要なポイントになってきます。

たとえば、世帯所得700万円以上の主婦で、子供が中学生で、仕事が学校の先生と言う風に絞ったならば、そういう周辺のお客様も反応し、また、それより上の年代の方も反応します。

アパレルの業界では当たり前の話で、20歳代用の服を創ると30歳代が反応し、30歳代ターゲットの洋服は、40歳あるいは、50歳代も反応します。109系のマウジーのいいお客様は40歳代と聞いたこともあります。逆に、40歳代ターゲットの商品には20歳代は反応しません。説明しなくても分かると思いますが、要するに、男女問わず、根底には「いつまでも若く綺麗でいたい」が願望です。しかも、最近は等身大の願望です。ハリウッドスターよりAKB48です。すぐそこにある、自分も参加できそうな願望です。

自店では、どの+αのニーズを満たすのかをハッキリさせて、それに愚直なまでに対応出来るように練習し、作り上げる事によって、着て頂いたときの満足感が違ってくるのです。リピート率も高くなるのです。ホットペッパーから他の情報が送られてきても興味出ない訳です。

次回は、そのターゲットの絞り方をご案内していきます。

 

自己紹介

1995年
経済産業省認定 中小企業診断士 登録
2000年
ハタナカマネジメントオフィス 設立
ファッション業界、美容業界を中心に、現場ですぐに役立つ提案と支援を得意としています。
最近では、社会保険導入に関する賃金・給与制度の見直し、社労士とコラボによる就業規則の作成、チームワーク改善、強みの武器化のコンサルティングを行っております。

2013年~2023年現在
国際理容美容専門学校 マーケティング講師
2014年
JBCA(日本ビューティコーディネーター協会)1級テキスト作成、アイコーディネーター検定2級テキスト作成

2018年2月 「誰も教えてくれない、経営の秘密。」(髪の文化舎)出版

2020年 JBCA(日本ビューティコーディネーター協会)サロンマネジメント テキスト作成

スタイリングマップ講習のご案内

日本ファッションスタイリスト協会が主催しているスタイリングマップは、美容室のマーケティングでは、シンプルで最強のツールになると考えられています。

それに気がついているサロンのオーナー様はまだ少数です。スタイリングマップは、色、形、素材で、それぞれが4つのタイプに別れます。基本的に、パーソナルカラーが軸となっています。これに、さらに造形心理学と素材感がまとめて統一して体系化してあります。

これまで、ありそうでなかった理論で、ファッション&美容の業界ではノーベル賞級の発見です。最近では、それに、行動、感情、対人タイプが重なることが分かり、似合わせのご提案はもちろんのこと、パーソナルな接客まで役に立つ理論です。曖昧なところが非常にロジカルに似合わせが可能になります。

<スタイリングマップについて>

https://stylist-kyokai.jp/

現在、当方はこのスタイリングマップを導入していただき、全身の似合わせが出来るようになることで、美容室でお洋服販売する取り組みを行っております。

1日に40万円以上のアパレル商品を販売するサロン様も徐々に増えております。

アパレル企業さまでは、昨今、商品を貸し出してくれるメーカー様は減少しておりますが、当方のアパレル業界でのネットワークで、好条件で売れる商品を供給していただけるアパレルメーカー様を2社開拓しております。

もし、こういった件でも、ご興味がございましたら、是非、当方までお問い合わせくださいませ。

カレンダー

2016年8月
« 7月   6月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031